歯科インプラント治療の抜歯即時埋入法と抜歯後待時(たいじ)埋入法の違い

 

歯科インプラント治療には歯を抜いた直後にインプラントを埋入する治療法と、抜歯後に期間をあけて埋入する治療法があります。これらの違いは何か、どのような理由で2つの治療法を選択されるのかをご紹介します。

 

 

 

インプラント治療に最適な時期はいつ?

 

インプラント手術を受ける際に抜くべき歯が残っていると、抜歯を行ってからインプラントを埋入する流れになります。その際に抜歯からインプラント埋入までかかる時間や期間は、施術内容によって異なります。そしてインプラントを埋入する時のタイミングとしては次のような時期と違いがあります。

 

 

●抜歯後期間をあける(抜歯後待時埋入法)

抜歯後待時埋入法とは、抜歯後1~3ヶ月位待ってから改めてインプラントの手術をすることです抜く歯の状態により、この方法を選択します。例えば深い虫歯や歯周病で歯を抜かなくてはいけなくなったケースでは、その時点で歯根の周りの骨が吸収されて下がって痩せてしまっていることが多々あります。骨の中に埋め込むインプラント体は直径が3~5mm、長さが6~16mm位が一般的で、それを骨がはみ出さないように埋めなくてはなりません。骨が少なかったり厚みが足りなかったりすると、どうしてもはみ出すこととなり、きちんとインプラント体を埋めることができなくなってしまうのです。

抜いた後の抜歯待時は抜いた場所の骨をある程度治すための期間になります。歯を抜いた後は、骨の穴に骨を作ろうとする細胞がたくさん集まり、少しずつ柔らかい骨を作っていきます。

1~3ヶ月位で、完全ではありませんが骨の元になるような組織で埋められていきます。その時期にインプラントを埋め込む手術を行うと新しく入れたインプラントの周りにも骨ができやすいとされています。

だからと言ってもっと長く期間をあければしっかりとした骨ができていると思いきや、期間をあけすぎてしまうと今度は歯がなくなったことで周りの骨が吸収されて痩せていってしまうのです。そのため抜歯後あまり期間をあけるのも、骨の量が少なくなってしまう影響でインプラントが安定しにくくなり、あまり推奨されるものではありません。

この方法は骨の形成を待つという意味の他に感染を最小限するという利点もあります。深い虫歯や歯周病の場合、周囲の組織が傷つき、炎症を起こしていることがほとんどです。その組織を抜歯の時にしっかりと除去し、治癒を待つことで感染の危険性をとても少なくすることができます。抜歯後1~3ヶ月待つと、抜いた傷口も落ち着いていくため、インプラント体を入れる手術後の傷の処置もしやすくなります。

ここまではメリットを紹介しましたが、デメリットもあります。

デメリットは2つあります。まず、抜歯後1~3ヶ月は歯がないままの状態で待たなくてはいけないので、最終の被せ物が入るまでの治癒期間が長くなってしまうこと。そして“抜歯”と“インプラント埋入”の2回の外科処置を行わなくてはならないことです。麻酔が必ず2回必要になります。

この抜歯後待時埋入法は、骨の回復を待てば幅広いケースで行うことができるので、一番一般的な方法だといえます。

 

 

●歯を抜くと同時にインプラントも入れる(抜歯後即時埋入法)

抜歯後即時埋入法とは、歯を抜いたその日にその部分にインプラントを入れる方法です。抜歯後にできる穴を利用してインプラントを埋め込むのです。抜歯をして傷んでいる周りの組織を取り除き、綺麗な状態になった所へインプラントを入れます。

しかし、そのままではもちろんピッタリとは入りません。少しずつドリルを使って穴の形を整え、インプラントが入るようにします。深さと太さを合わせ、穴があいた所へインプラント体を埋め込みます。しかし歯の根の直径はほとんどの場合インプラント体よりも大きいものを採用します。そこでそのインプラント体の周囲に、人工の骨などを入れて隙間を埋めることで安定させます。

この方法の場合、抜歯とインプラント埋入を同時に行いますので骨を削る量も少なく外科処置を1回で終わらせることができるので精神的、肉体的にも負担が軽減されます。さらに、周りの組織の回復と骨の形成を同時に待つこととなるため、最終的な被せの歯が出来るまでの期間を1~3ヶ月短くすることができます。抜歯後は肉体の治癒能力が活性化します。そのため、抜歯後にインプラントを埋めるこの方法では、埋め込んだ部分の治癒が早く進むメリットがあります。

しかし、どんな場合でもこの即時埋入法が出来るわけではありません。即時埋入法を行うには、以下のような一定の条件を満たしていなければできません。

 

・抜歯する歯が深い虫歯や歯周病で周りの骨にダメージがないこと

・インプラント体を覆い隠すのに充分な骨の厚みと深さがあること

・周りの歯には重度の歯周病がないこと

・噛み合わせの状態が比較的良好であること

このような条件などが、最低限必要になります。

これらの条件を満たしていれば即時埋入法ができることが多く、前歯など見える場所の処置の場合、歯を抜いたその日に仮の歯を入れることが可能な場合があります。

 

 

●安全なインプラント手術を受けるために術前に必要なこと

インプラント治療は、非常に繊細な技術が必要な口腔内の外科手術です。口腔内の狭い空間へ2cmに満たない大きさのネジを埋め込むのです。しかもその狭い空間の向こう側には、たくさんの神経、血管がびっしりと走っており、少しのミスで重篤な状態となるリスクもあります。

そんなインプラントの成功の秘訣は、手術前の検査だといわれています。インプラントをすると決まったらレントゲンを何枚か撮り、必要ならCT撮影をして深さや骨の厚みを確認します。

どんなに有名な歯科医院で、どんなに技術の高い歯科医が執刀する場合でも、インプラントを入れる場所をしっかりとシュミレーションしてもらうことがとても大切です。その上で抜歯後待埋入法と、抜歯後即時埋入法のどちらが適切か主治医の歯科医師が決めます。

 

 

●まとめ

(中川歯科のオペ室)

いくら早く歯を入れて欲しいからといって、無理に即時埋入をお願いするのは危険なことがあります。長期間丈夫で安定したインプラントを目指すためにも、ご自分の口腔内や骨などの状態に適した方法で施術してもらいましょう。

最終的にしっかりと噛める安定したインプラントができるように、歯科医師と相談し施術方法やスケジュールを決めて、インプラントに臨んでください。

また、普段から口腔内環境に気を配ることも重要です。歯肉炎と歯周炎などを総称して歯周病と言います。その歯周病や虫歯などの異常がないように、まずはケアを徹底することをおすすめします。

 

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